これは9月の中旬のこと。
前位にも話したけど、このコロナが蔓延する中、勇敢な日本人少年が留学生としてうちのカレッジにやってきた。
戻ってくるはずだった日本人は帰ってこず、他の日本人も卒業し、新しい日本人がくることはこの上なく嬉しかった。わからないことはなんでも助けてあげよう!と意気込み彼が2週間の隔離を終えた日、マイケルと一緒に彼を迎えにいった。

一緒にハイキングをして、彼は私たちに尋ねた
「アメリカの人種差別とか、銃とかってどんな感じですか?」と聞かれた。
私は「ここに1年住んでるけど、身の危険を感じたことないよ」と答えた。
マイケルも「僕は22年住んでるけど、平和な場所だよ」と答えた。

この時は、この会話がフラグになるとは思っていなかった。 

初週は買い出しに連れて行き、軽いハイキングをした私たち。
1週間後、私たちは彼を連れてモールに行った。

事件が起きたのは突然だった。私たちはヴィクトリアシークレットで買い物をしていた。レジに並んでいた時、私は急にトイレに行きたくなった。私はマイケルに財布を預け「トイレに行きたいから、お金払っといて」と言った。マイケルは「下着売り場に男を二人残していくな」と言った。
そりゃそうかと思って、私はトイレを我慢して引き続き並んだ。

その時、モールのメインロードで大勢の人が急に走り出した。「shooting!」と言う声が聞こえた。
逃げるべきか留まるべきか悩んでいると、お店の人が「Close the shutter!」と叫び私たちは店の奥へと逃げた。アメリカのモールは、店舗で電波が悪くなることが多い。最悪なことに、私たちの店舗は電波が届かなかった。何人かは911に電話をかけようとトライしたが、接続できなかった。もちろん、メインロードの近くまで行けば、電波をキャッチできたかもしれないが、安全確保のため、ロードの方には近づけなかった。
外の状況が全くわからず、外と連絡をとることもできない。とは言え、これだけの騒ぎなのだから、間違いなく警察はやってくる。私たちは警察が安全確認をするのを待った。結局、情報が入らないまま1時間以上待った。初めの10分は本当に怖かったけど、後半はみんな疲れてきたのか、普通に日常会話が繰り広げられていた(笑)

1時間半ほど待った後、超体の大きな警官が、これまたでっかい機関銃みたいなのを持ってVictoria Seacretの店舗に入ってきた。犯人がまだ捕まっていなかったため、私たちも容疑者の一人である。ちょっと怪しそうな男だけ軽く身体チェックをし、私たちはモールを後にした。外に出ると、たくさんの警察とメディアでごった返していた。大きなモールで起きた事件だったので、もしかして日本でも報道されるかと思ったが、被害者もいなかったので、大したニュースにならなかった。日本は愚か、ペンシルベニアのニュースにチラッと載った程度だった。ちなみに、犯人はまだ捕まっていない。
モールには4発の銃痕が残っていた。


私は、こんな危険な国とアホが多い国で警察官をしている警察を心から尊敬する。ジョージフロイトに何の同情も湧かないのは、警察に逆らったからである。

事件の後、私は「銃を持って歩くなら、例え警察があなたを殺しても文句は言えない。私はアメリカの警察を尊敬する」とちょっと過激な文章を英語で投稿してみたが、共感は得られなかった。警察を尊敬すると言うフレーズは現在のアメリカの社会運動に反しているし、銃を支持する人も多い。今回の事件を挙げるなら、例えば銃を持った見方がいれば、その人が犯人を殺してくれる。というものだ。

マイケルは銃の所持に反対だし、家に銃もない。しかし、歴史が違うからアメリカで銃を規制するのは無理だと言っていた。

余談だが、後日、マイケル兄の彼女であるブリトニーにこのことを話したら、「なんて怖いの!!私も昔、元彼の妹に酔って喧嘩して銃を向けられたことがあるの!本当に怖かったわ」と言っていた。それは本当にヤバいと思う。


やっぱりアメリカはヤバい国である。